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【地域医療連携とIT活用】

今回は,地域医療連携におけるITの活用および課題にについてお話しします。

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▼【 地域医療連携のパターン ! 】  
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疾病によって地域医療連携のパターンに特徴がみられ、大きく分けると以下の3つのパターンに分類できます。

【一方向型】
大腿骨頸部骨折や脳卒中の急性期の場合は、急性期施設→リハビリ病院などの回復期施設→老健などの維持期施設といった流れで患者の治療や介護が行われる。

また、患者情報に関しては急性期→回復期、回復期→維持期の転院時に伝達されるだけで情報の量・頻度ともに少なくリアルタイム性も要求されない。

【双方向型】
生活習慣病やがん手術後など、通常の診療や投薬は、かかりつけ医で行われ、精密検査を定期的に専門医施設で行うというかかりつけ医と専門医施設の連携のパターンである。

地方では専門医施設が限られているので一つの専門医施設を中心に双方向型の連携が成立している場合が多いが、都市では専門医施設が複数あるため地方に比べて連携が複雑になっている。

患者情報に関しても地方ではかかりつけ医が専門医施設の電子カルテを閲覧できるような仕組みが実際に稼働しているが、都市の場合は複数の専門医施設が存在するためにシステム構築が難しくてすすんでいない。

【在宅支援型】

在宅医療の場合、一人の患者を在宅支援診療所の医師、訪問看護ステーション、訪問リハビリステーション、薬局など複数のスタッフで治療します。

異なった場所にある複数の施設のスタッフが患者の病状を適時把握して対処する必要がある。そのために患者情報をリアルタイムで共有できる地域連携型の電子カルテなどのITのニーズが高い。

このように疾病のタイプによってある程度、地域連携のパターンは決まっています。しかし、実際には患者が複数の病気を持っていたり、地域によっては医療機関や介護施設が整備されていなかったりという状況があるのでそれぞれの患者や地域にあった連携構築を検討する必要である。
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▼【 ITによる連携のパターン ! 】  
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地域医療連携にITを活用する際に以下のようないくつかのパターンが見られます。

【中核病院の電子カルテ閲覧方式】
開業医が中核病院の電子カルテにアクセスして患者情報を閲覧する仕組み。この方式だど安価でネットワークを構築できる。開業医は中核病院の電子カルテに入力することはあまりなく、中核病院の画像データや検査データを閲覧することが多いため、この方式でも機能的には十分である。

この方式を採用している長崎県のあじさいネットワークは、一つの画面で複数の中核病院の患者情報を閲覧できるという利便性のために長崎県全体にネットワークが広がりつつある。

【クライアントサーバー方式】
地域医療連携のネットワーク内にサーバーを設置して、各施設の端末からサーバーにアクセスして患者情報を閲覧したり、更新したりする方式。

導入費用や運転費用が高価なため、費用負担が普及への障害となっている。自治体の補助金を使って導入する施設もあるが、運転費用は自施設で負担しなければならないために導入後に財政的に苦労している。

【クラウドコンピューティング方式】
サーバーやソフトウェアを持つ必要がなく比較的安価なために、さまざまな分野で急速に普及しつつある方式。医療分野でも今後この方式を使ったサービスが出てくることが予想されるが、個人情報の取り扱いなどいくつか解決しなければならない課題がある。

このようにネットワーク構築の方式によりメリットやデメリットがあるのでニーズに合わせてどの方式を採用するか検討する必要がある。

今後は、コストやシステムの互換性を考えるとクラウドコンピューティングが主流になることが予想される。
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▼【 Net4U(鶴岡地区医師会) ! 】  
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Net4Uという山形県の鶴岡地区で利用されている連携システムは、2000年度の経済産業省の地域医療ネットワーク化推進事業に参画し、東京都新宿区医師会の「ゆーねっと」をベースに開発された医療連携型の電子カルテである。

現時点での参加施設は、病院が6施設、診療所が30施設、2つの訪問看護ステーション、介護老人保健施設、特別養護老人施設、調剤薬局がそれぞれ1施設、民間検査会社が3つである。

在宅医療の場合、複数の施設やスタッフが共同して患者のケアを行うためにリアルタイムの患者情報を共有する必要がある。そのため医療連携型の電子カルテのニーズが高く、鶴岡地区でも在宅医療において特に有用性を発揮している。

紙ベースの場合、医師から看護師への情報の伝達は、通常月に一回の指示書だけであるのに比べて、Net4Uを活用した場合は、医師が往診や処方をするたびにその情報が伝達されるという違いがみられた。

この頻繁な情報伝達により看護師は患者の病状の理解や判断への自信がつき看護の質や業務に対するモチベーションの向上につながっている。

このように在宅医療における地域連携システムのメリットは大きいが、導入や運営費をだれが負担するかという問題がある。鶴岡地区医師会の場合は、医師会がリハビリ病院、老人保健施設、健診センター等を運営しており経済的に安定しているのでNet4Uを運営できている。

また、医師会立の施設間で患者を紹介するにあたって利害が生じないことも成功要因の一つになっている。

鶴岡地区の成功を参考に他の地域でも患者とスタッフ双方にメリットがある医療連携システムが構築されることが望まれる。そのためにはシステムの低価格化が重要な要因であり、クラウドコンピューティングで多くの施設が一つのシステムを利用することにより低価格は可能になると思われる。

地域医療連携の㈱メッドスターの「地域連携室」係 
患者転院支援の㈱メッドスターの「患者転院サポートセンター」係